日本ではスギやヒノキの花粉症が有名ですが、海外でもさまざまな花粉症があります。牧場の多い地域では牧草の花粉症もありますし、国によって差はありますが基本的な治療法は同じです。ただ、今回調べるにあたりアレルギー専門家の見解も少し違うところがあったので、日本とアメリカの花粉症情報をご紹介します。
日本アレルギー学会の花粉症情報について
日本では、この日本アレルギー学会が専門知識をもちアレルギー患者の診察を数多く行っていると認定した医師のみが、アレルギー専門医として日々治療を行っています。
どんな花粉によって引き起こされますか?
花粉症を引き起こす花粉は数十種類以上知られています。大別すると樹木花粉、草本花粉、ブタクサなどです。地域により大きく異なりますが、日本での花粉症の特徴はなんといってもスギ花粉症です。ただ、スギ花粉飛散は沖縄には見られず、北海道も南部の函館などに限られています。花粉の飛散時期は地域により違いがあります。
どんな症状がみられますか。
花粉症の患者さんが曝露を受けると、直ちに発作性にくしゃみ、鼻水、鼻づまりがみられます。これを即時反応といいます。目のかゆみ、充血といった眼症状もほぼ必発です。さらに花粉に曝露されて7時間以降にその時点では花粉の曝露はないにも関わらず、鼻づまりがみられることがあります。これを遅発反応といいます。花粉症では、鼻や眼症状以外にのどの症状(かゆみ、刺激感)、咳、胃腸症状(痛み、下痢)、顔などの露出部皮膚の発赤、かゆみ、さらに頭重感、頭痛などの全身症状を訴える患者さんも半数以上にみられ、軽いうつ症状も数%の患者さんでみられるといった報告もあります。特に花粉症飛散のピーク時には鼻や眼症状以外にもいろいろな合併症がみられています。
日本アレルギー学会 https://www.jsa-pr.jp/html/faq.html#faq7 より引用
米国アレルギー・喘息・免疫学会の花粉症情報について
American College of Allergy, Asthma &Immunology(ACAAI)は、米国内外の6,000人を超えるアレルギー専門医、免疫専門医および関連する医療専門家からなる専門機関です。アレルギーや免疫の専門知識をもち認定された医師のみが所属しています。
花粉症の症状について
春になると最も一般的な引き金は木と草の花粉です。秋によくみられるアレルゲンはブタクサやその他の雑草の花粉、屋外のカビです。敏感な人がアレルゲンを吸い込むと、体の免疫系が次のような症状に反応することがあります(頻度の高い順に記載)。
- 閉塞またはうっ血による鼻づまり
- 鼻水または後鼻漏
- 鼻、口、目またはのどのかゆみ
- 涙目や充血
- まぶたの腫れ
- くしゃみ
- 咳
アレルギー性鼻炎は、以下のような症状をともなうことがあります。
- 集中力の低下
- 活動の制限
- 意思決定能力の低下
- 手と目の協調性の低下
- 物覚えの悪さ
- イライラ
- 睡眠障害
- 疲労感
- 仕事または学校を欠席
- 自動車事故の増加
- ケガの増加
アレルギー性鼻炎のお子様をお持ちの保護者からは「アレルギーの季節になると子どもが不機嫌になったり、イライラしたりする」という声が多く聞かれます。子どもは自分の症状を言葉で表現できないことが多いため、学校や家庭で暴れることで不快感を表現することがあります。また、アレルギーがあることを、他人から隔てられる汚点と感じるお子さんもいます。
アレルギー症状によるイライラなどの症状を注意欠陥障害と間違えないことが大切です。適切な治療により症状を抑え、学習や行動への支障を回避することができます。
アレルギー性鼻炎の症状にはほかの原因もあり、最も一般的なのは風邪です。ほとんどの感染症は比較的短期間で、3~7日で症状が改善されます。
また、アレルギー性鼻炎に似た鼻づまり、粘液の過剰分泌、かゆみなどの鼻の症状をくり返す人や慢性的な人も少なくありません。そのような場合、アレルギーが原因ではない可能性があります。
https://acaai.org/allergies/allergic-conditions/hay-fever/ より引用
正確さと情報拡散のしやすさのジレンマ
今回調べるにあたって思うことがあり、あえてほぼ原文のまま記載しました。どちらもアレルギー学会HPの一般向けページの内容です。リンク先を見ればよりわかりやすいですが、パッと見の印象はどうでしょうか?
私も気をつけないとと思っていますが、改行もせずの文章の羅列はとても読みにくいと感じてしまいます。少しリストにするだけでも読みやすくてわかりやすい文章になります。
一般向けということは、医療の知識も乏しいので、文章で専門用語を並べても意味不明で読む気になりません。だから、一般の健康系講師のブログを探し求めるのです。
そういった方の情報は誤っているやら根拠が~と批判される方もいらっしゃいますが、自分たちの情報が一般に受け入れてもらいやすいのかを見直す必要もあると思います。
もちろん、これが一番難しいので悩むわけですが、専門用語の問題だけでなく、ほしい情報と提供する情報がかみ合っていない問題もあります。でも最近は医療ライターと呼ばれる専門的な知識をもつ人たちも増えてきたので、このジレンマも解消されるのではないかと思っています。
もし、そういったジレンマにお悩みの方は、お気軽にご相談くださいね。